鳥取砂丘で原付おじさんに話しかけられた時の話

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最近バイクで日本一周をツイートしていた若者がゴールのダムで命を絶つという残念な事件があったんですが、このことを知った時に思い出した昔の話をちょっと紹介したいなと思います。


自分は10年前にバイクで西日本を一周したことがありまして、屋久島を目的地兼折り返し地点として帰りに昔から行ってみたかった鳥取砂丘に行った時のこと。

到着は夕方で、砂丘を1時間ほど散策し、日が暮れたので道路沿いのバイク駐輪所に戻って自販機の前で休憩してたんです。

そうしていたら、作業着風の服装で原付に乗ったおじさんが通りかかって、一旦通り過ぎたかと思ったらUターンしてこちらへやってきて、自販機で飲み物を買った後に話しかけて来たんです。

元中日の和田さん似で50手前くらいの原付二種スクーターに乗った仕事帰り風のおじさん。

バイク旅をしていると地元のおじさんに話しかけられることは珍しくないので、最初は休憩しながら他愛もない会話をしてたんですが、このおじさん、そのうち自分の昔話ばっかしてくるんですよ。

昔は国立大学を出て関西の一流企業で働いていただの、でも色々あって辞めて今は地元に戻って収入が半減しただの。

なんでせっかくの旅の途中にくたびれたおっさんの自分語りを聞かされなきゃならないんだと思い始めて段々と腹立ってきて、せめて何か自分にプラスになる情報を聞き出してやろうと思い、「この辺でなにかおいしい地元のご飯屋さんありますか?」と話題を変えて聞いてみたんです。

そしたらおじさん即答で

「ない」 と。


いや何かあるだろうよ…

あんたと会話した時間を返してくれよ…

そう思いながらおじさんとの話を打ち切って別れを告げたというちょっと嫌な思い出があったんですが

今思えばこのおじさん、今回命を絶ってしまったような若者を救いたいという思いからやっていた慈善活動のつもりだったのかもしれないなと思って、見方が変わりました。

夜回り先生みたいなつもりでやっていたのかもしれないなと。

だから自分の不幸話をして、こんな俺でも生きてるぞと言いたかったのかもしれないなと。


まあただそうだとしても、バイク旅している若者=思いつめてる などと決めつけるのは偏見以外の何ものでもないと個人的には思うので、やめてあげてもらいたいなと思いますね。


偏見、決めつけ、レッテル貼り。
こういったものがこの国を生きづらくしている大きな要因であると思っているので。


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