セローが復活からわずか1年で生産終了発表の理由

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2020年1月発売となるセロー250の新モデル「SEROW250 FINAL EDITION」が発表され、次モデルが最後で生産終了となることが明らかになり、日本のバイクファンや業界関係者に衝撃と困惑が広がっています。2017年に一度生産終了を発表し、その後新排ガス規制をクリアして2018年に復活したばかりだったセローが何故わずか1年で再び生産終了発表となったのか、その理由とは何なのでしょうか。


セローが生産終了確定、トリッカーとSR400も終了濃厚


1行目と2行目の落差が激しすぎるヤマハ公式ツイート。

ちなみに「国内向けの」と付け加えられているのは、セローは北米向けにXT250の名で売られている為と思われます。

海外版SEROW「XT250」とは? 海外のセローを見てみよう!


ちなみにまだ発表はないもののトリッカーやSR400も生産終了が噂されています。


2017年の生産終了発表から2018年の復活、そして今回の生産終了発表。

一体何故わずか1~2年という短期間の間に再び生産終了発表となってしまったのでしょうか。





温暖化対策と排ガス規制

まずその理由として挙げられるのが排ガス規制です。

近年気候変動や温暖化が深刻化し、対策を求める論調が欧州を中心に世界的に高まってきています。

そのため欧州では車やオートバイに対する排ガス規制がどんどん厳しくなってきており、メーカー側はその対策を迫られている状況にあります。

2017年に一度セローが生産終了したのもこの排ガス規制に対応する為でした。

ヤマハがセロー250の生産終了と後継モデル開発中であることを発表

そしてこの排ガス規制をひとまずクリアしたマイナーチェンジモデルを2018年に発売するわけですが、この排ガス規制は今後もどんどん厳しくなっていく為、いずれ大幅なフルモデルチェンジが必要でした。

今回の生産終了決定はそのフルモデルチェンジを断念したということになります。

では何故ヤマハはセローのフルモデルチェンジを断念したのでしょうか。






ヤマハの主戦場は東南アジアであるという現実

その理由として考えられるのが、ヤマハが販売に力を入れている主戦場が東南アジアであるということが考えられます。


ヤマハの新型バイクのメインターゲットは東南アジアという現実
この記事はセローがまだ復活する前の2018年5月のものですが、この時点でヤマハ発動機執行役員MC事業本部長・木下拓也氏は


「東南アジア諸国連合(ASEAN)地域は我々の主戦場だ。ここでいかに利益率を高めるかが、中期経営計画の取り組みで今後も変わらない。」


と明言しています。

残念ですがもうヤマハの経営陣の目は国内には向いていないのです。

これはヤマハだけでなく、東南アジアやインドといったバイク需要が圧倒的に多い新興国で売れるバイクを開発し、それをグローバルモデルとして全世界で販売するというのは現在のバイクメーカーのビジネスモデルとなっています。昔はバイクといえば日本をはじめとする先進国向けに開発され、東南アジアのような途上国には途上国向けにそれぞれ開発されていましたが、今では東南アジアのような途上国が経済発展により生活の移動手段としてだけでなくバイクを趣味として楽しむ人が増えた為メーカーも先進国より新興国を重視するようになったのです。


一方セローは北米でも売られてはいるもののほぼ国内専売モデルです。海外ではネームバリューはありません。海外ではオフロードバイクは種類も沢山売られているため、ネームバリューのないセローがそこに割って入るのは容易ではありません。

そのためどんなにセローが良いバイクでも、お金をかけてフルモデルチェンジしても世界で売れる保証はなく、利益を追求することを考えた時にセローの販売継続はヤマハにとって優先度が低かったと想像できます。





既にeBIKE(電動自転車)にも力を入れているヤマハ

更にそれだけではなく、eBIKEの台頭も考えられます。

ここ数年の技術革新によりパワフルなスポーツ電動自転車の生産が可能になり、eBIKEという新たなジャンルが誕生しました。

林道ツーリングは今後e-BIKE(e-MTB)が主流になるかも

免許不要ガソリン不要で乗れる二輪車として、今後低価格化が進めば世界的に需要が増えることが予想され、今後オートバイは電動化したとしても小型~中型はe-BIKE(電動自転車)に喰われていくことも考えられます。

そんな未来を見越してか、ヤマハも既にeBIKEに参入しています。



このようにヤマハという企業はオートバイメーカーの枠に囚われず時代の変化に対応して生き残っていこうという姿勢が感じられます。

セローの生産終了もそういった企業姿勢によるものといえるかもしれません。






この先セローの復活はあるのか?

最近ではホンダのモンキーが125ccになって復活した例などがありますが、セローの復活はあるのでしょうか?



これは残念ですが厳しいと言わざるを得ません。

一度生産終了してすぐに復活し、またすぐに生産終了したのにまたまたすぐに復活なんてことになればそれこそ企業姿勢を疑うことになります。

海外生産のオフロードバイクを日本向けにマイナーチェンジしてセローとして売る方法もありますが、それは違うという声が多いはずです。ホンダがスーパーカブを中国生産にして失敗していますし。

ですからもうこの辺でセローは終わらせてしまったほうがいいという結論に至ったのではないかと想像します。


おそらくヤマハ社内にもセローに愛着を持っていて販売継続を願う人も多かったのではないかと思いますが、会社員は経営陣が決めた経営方針には従わなければなりませんし、家族を養っていかなければなりません。

利益を追求し続けなければならない企業はときとしてドライで冷徹に見えてしまうものです。

ただ今後ヤマハの経営陣に現場からの叩き上げでセローに愛着を持っていたり国産バイクに対して強いこだわりを持っている様な人物が増えるようなことがあればセロー復活もあり得なくもないのかなとも思います。





まとめ

・地球温暖化対策により厳しさを増す排ガス規制

・ヤマハは東南アジア・新興国を主戦場としていて国内モデルは重視していない

・eBIKEの台頭により先進国における小型~中型ガソリン二輪車オワコン化の可能性



以上がヤマハがセローの生産終了を決めた要因であると考えます。

まさに一つの時代が終わるという感じですね。


生産終了は残念ではありますが、駆け込み需要でファイナルエディションが売れればしばらくは盛り上がりをみせるでしょうし、販売台数の多いセローは国内には沢山の中古車も存在していて、おまけにセローが壊れにくいバイクであるということを考えれば当分の間セローが中古市場から消えるということもないでしょうから、すぐに心配することはないと思います。

残された時間を大切に、これからもセローを楽しんでいきたいですね。

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